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ブロンプトンでGO!
道北旅ポタ 2025夏
「07.港町・留萌の夜はふけゆく(*v.v)。。」篇(下)















●大将「あんたさあ、もうちょっと落ち着いてさ、ゆっくりしなよ!」
居酒屋

KOU「えっ、えっ??・・・ああ・・・はあ・・・

い、言われてみればそうか。

・・・そうだよな。せっかく北海道まで飛んできて、100km走って投宿地に着き、何の不安もなく過ごせる夜だ。こういう時間をゆっくり味わってこその旅、だよな(*v.v)。。

大将の言う通りだ。

よし、ゆっくりメニューを見て、じっくり注文しよう。






KOU「ええと、それではイカの塩辛と・・・

大将「だから、せっかちだねえ!ゆっくり、ひと呼吸ついて、落ち着きなって言ってるの!」

KOU「ううっ!」







そういえば聞いたことがある。

世の中には「私語をしちゃいけないラーメン屋」があるらしい。「店舗ルール」というヤツだ。






『これまで経験した事がなかったが・・・まさに今、体験しているのか?』

よりによって今日?

夜ふけゆく港町・留萌のこの店で?






大将「・・・おしぼりでゆっくり顔でもふいて、大きく息吸って、リラックスしなって。別に、急いでいるわけじゃないんだろう?」

KOU「まあ、そうですね」

大将「なら、のんびりしていってよ。俺もちゃんとうまいもん出して、味わってってほしいしさ






ははあ、そういうことか。

明らかに地元民だらけのこの店に入るのに、僕は少し緊張していた。それを気づかれている自覚はなかったが、大将からすれば「そういう1人客をリラックスさせるいつもの声掛け」なのだろう。





『ふー・・・』

おっさん臭さが一層際立ってしまう行為なのでいつもは絶対やらないが、ツメシボ(つめたいおしぼりね)で顔を念入りにふき取る(*v.v)。。

ゴシゴシゴシ・・・

1分おいて、またゴシゴシ・・・

さらに1分おいて、またゴシゴシ・・・




・・・無理やり5分くらい時間を潰した事によって、何となく店の雰囲気に馴染んだ気がした。




KOU「ウーロンハイください」

大将「あいよ!ウーロンハイ1ね!」

KOU「それとイカの塩辛・・・」

大将「そう慌てないで、飲物ちょっと飲んでからにしなよ!」

KOU「うっ!」







●キンキンに冷えたウーロンハイが出てきた
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何はともあれ、記念すべき復活の1日目を飾れた事は間違いない。

自分自身に乾杯!

ゴキュゴキュゴキュ・・・><。

アヒィ、美味い!!








●おつまみとしてイカの塩辛と大根おろしを頂く(*v.v)。。
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本当は刺身でも食べたいところだが、焼き物屋さんなので致し方ない。

スーパーの瓶詰イカ塩辛かも知れないが・・・










●う、美味い!!
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イカの身は結構新鮮な感じなのに、何故かこなれた味に感じる!

チビチビとウーハイを飲みつつ、チビチビと塩辛を口に運び続ける。

「いい歯ごたえ・・・(*v.v)。。」

店のガヤガヤ音に耳を傾けつつ、静かにのんびり、飲む。







●大将「あんたはどっから来たのかね?」
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『特に珍しくもないだろう』と思いつつ、名古屋からチャリを持ってやってきた事を伝える。


大将「ああ、自転車ね。今日はどこを走ってきたのかね?」



旭川空港から留萌まで走ってきたことを伝える。


大将「えっ、旭川から走ってきたの?」


そんなに驚くことか?たった100キロだぞ。北海道だぞ。その程度無数にいるだろ(*v.v)。。


大将「〇〇ちゃん、このにいちゃん、旭川からここまで走ってきたって」


女の子「え?ウソ、信じられない」


いやいや、大袈裟だ。そんなん、絶対、みんなやってるから(*v.v)。。


大将「どんな自転車?電動?それとも、めっちゃ高いロードレーサー
?」


「ちっちゃい折畳自転車で」と答える。


大将&女の子「えええー!!」



だから大袈裟だって。折畳チャリ持ってきて走っている人も、多分結構いるから(*v.v)。。


女の子「え、ちょっと待って。今日空港から来たって? 明日は何処行くの?」


『稚内』と答える。


大将&女の子「ええええええーー!!」


・・・うん、まあ、そうだよね




それにしても、この女の子、とても聞き取りやすい声だ・・・。








●「折畳自転車で稚内に行く」と言ってからの話は盛り上がった
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女の子「バカなの?そんなん無理でしょう


大将「おおそうだ、バカだし、ムリだ


KOU「あなた方はそうやってバカにするけれど、僕とブロンプトンは・・・


戦歴を披露しようとする僕をピシャリと遮って、女の子は先日あったという出来事を説明し始めた。

2日ほど前に自転車レースがあり、彼女はスタッフの様な立場でそのイベントに参加していたという。


女の子「あの道はね、大きな山が6つもあって、そこを越えるのが本当に大変なのよ!」


あれ?海沿いの道にそんな大きな山なんてあったかしら


女の子「ロードレーサーに乗ってる人達でもすごく辛そうで、クルマから見ている私も気持ち悪くなったくらいだった!」


えっ、ロードバイク大会に出てる人達でもそんなに辛い道なの?それはまずいな


大将「俺も若い頃ロードバイク乗ってたけれど、あの坂は乗ったままでは越えられなかったなあ!」


マジか!そんな厳しい地形を見落としていたとは!


女の子「しかも、稚内って、200キロ先よ!自転車(まして折畳)なんかでたどり着けるわけないし、クマも出るかも知れないし、死んじゃうよ!私、送ってあげようか?」


勿論、本気で送ってくれるつもりはないだろう。そして、こちらとしても見ず知らずの方と200キロも一緒に移動するのは「拷問」
一応、感謝しつつも、丁重にお断り申し上げる。

色々な話でひとしきり盛り上がった後、彼女はお手洗いに行った。



KOU「彼女は司会者とかタレントさんとかですか?やけに発声が綺麗なような」

大将「ああ、いい線いってるね。」







●大将の料理はとても美味しかった
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いわし明太。

多分、初めて食べたが、いわしと明太子の組み合わせがここまで美味しいとは。



大将「”辛子明太子”は全部福岡から来ているけれど、その原材料になる”明太子”は、殆どが留萌で生産されているんだ。より詳しくいうと、ロシアなどからスケトウダラの卵を仕入れて、ここで加工して、福岡に送っているんだな。それがまた留萌に戻ってきて、こうやって食べてもらう訳さ」




こういうエピソードを聞くと、酒もご飯もより美味しく感じる。

KOU「ウーロンハイ、もう一杯ください」






●新鮮な感覚
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初訪の土地の初見の方々と、こんなに楽しい時間を過ごせるとは。

思ってもない体験だった。









●ひとつひとつの食べ物も、よりおいしく感じる
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いや、味自体はいつもの旅と変わらん。

ただ、いつも以上にかけがえのない旅の夜を過ごしている気がする。




店の奥のテーブル席にいた地元のお客さんたちが立ち上がった。どこか別の店に行くらしい。

さっきの女の子が、一行を別の店に案内するらしく、先導して歩いてくる。

『・・・ほんと、飲み屋街の客引きの子の様にも見えるし・・・一体、何者だったんだ?』

一行に背を向けて2杯目のウーハイのグラスを傾けて思案していると、肩をポンと叩かれた。後ろを見ると、あの女の子だった。



女の子「気を付けて行ってきてね



彼女は手を振って、店の外に消えていく。





『・・・』

なんだろう。

心も身体も、なんかあったかくなった様な。

旅先で、もしかしたら自分の子どもぐらいの歳の人に励まされるとは思わなかった。

きっと、すごく優しい人なんだろう。





大将「あの子は、このあたりで放送している局の子だよ。ニュースの原稿とか読んだりしている


ああ、そうか。そういう人か。なるほどね。あの発声も納得。

そして、僕はこれまで以上に「あの局」を好きになり、これまで以上に立花孝志を嫌いになった。











●「KOU・心を洗う旅のテーマ曲(*v.v)。。」(猫叉Master「Fly far bounce」)
















●・・・とても、いい気分だ
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すごく清々しい

あまりに気持ちがよくて、海を見に行きたくなった。

歩いて見に行こう。









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21時過ぎ、ひと気のない通りをトコトコ歩く( ´ ε`*)~♪










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一旦、坂をのぼり、右手方向に下る坂の先が、港らしい。








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●とても静かで気持ちがいい( ´ ε`*)~♪
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気温23度といったところ。

やわらかな風が、たまにそっと吹いてくる。











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夜釣りの人達がちらほら・・・。なんか、楽しそう。

そのうちもっと興味がわいてきたら、やる事があるかも知れない。










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『見知らぬ町の、夜の景色はやっぱ好きだな』

のんびりトコトコ、ホテルに向かう。












●留萌・・・ありがとう!
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すごくいい時間を過ごさせてもらった。

直近の元気が回復しただけでない。

人生にも、なにかちょっとしたいい影響を与えてくれるような、そんな体験があったと思う。

よし!明日も頑張ろう!!



そして、僕は明日の「186kmライド」に向けて荷物をまとめた後、意識を失ったのであった。



(つづく)






※不定期更新です


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