
名古屋市東側の都心である「千種」から中央線普通電車で30分足らずで着いた「定光寺」。
崖にへばりつくような駅舎やその町並みで「名古屋から最も近い秘境」と言われているらしい。
特に予定もなかった今日、yahoo!で「名古屋 湖 のんびり」と検索したら「定光寺」と出てきたので、
やってきてみたというわけだ。

駅の方からつながっている橋を渡って振り返ってみる。
この川は、どうやら庄内川らしい。
前住んでた家のすぐ近くを流れていた川だ。河口からたった40km程度でこんな場所を流れていたとはね。

橋の上から見たところでは、川は中央部で水深2m以上はありそう。
中学生くらいの子供が高さ5~6mはありそうな大岩の上から川面にダイブしている。
なかなか度胸あるな。
しかし、観たところ、駅の周りには激シブの喫茶店が1件、大きなホテル廃墟が1件、
橋を渡ってコチラ側に来ても旅館が1件しかなく、他には何もない。
『何も調べないで来たからなあ・・・』そう思って橋のたもとにいると、
大学生くらいの女の子に声をかけられた。
この坂道を登っていったところにカフェがあるそうで、彼女はそこの呼び込みをやっているらしい。
女の子:「手作りのケーキや美味しいランチもやってますので・・・」
KOU:「この坂を登っていけばいいの?」
女の子:「キョリがけっこうありますので、迎えに来させますけど」
KOU:「え?コーヒー飲むだけなのに、迎えに来てもらってたら大変でしょう。歩いていくよ」
女の子:「私の足で大体30分くらいかかりますよ」
KOU:「そのくらいなら歩いて行きますよ」
女の子:「じゃあ、この道の先の信号を右にあります。途中にもう1軒カフェがあるけど、
そこは通り過ぎてください」
KOU:「はいはい」
女の子:「今日は素敵なプレゼントもありますので。あ、あと、これ、割引券」

『帰ろうか』と思ってたところで目標が出来たので、とりあえず有り難い。
100円割引券を受け取って、駅を背にして坂に向かう。
じりじりとした日差しを背に受けて歩きはじめるが・・・この坂、歩くだけなのに結構キツイぞ- -;
道路標識を見ると勾配は10%。
箱根峠の直前の平均勾配が3%、日光のいろは坂が平均勾配4.6%だから・・・超激坂じゃん- -;

『富士山登ってるみたいだぜ』
ゼイゼイ言いながら坂をトボトボ登って行くと、右側の川沿いにカナリいい感じのcafeが・・・。
さっきの女の子が「通過してください」と言ってたカフェだろう。
『ココ通過したら、絶対後悔しそう・・・』と思いつつ、約束しちゃったのでスルーしてゆく。

ヨタヨタ上がってゆくと、平坦なエリアに出た。
さらに少し歩くと定光寺の入り口があった。
尾張徳川家の菩提寺であり、寄ってみたかったが・・・次回、クルマで来た時に立ち寄る事に^ ^;

さらに歩くと、なにやら何人かで呼び込みをやっているカフェが。
目的地『カフェ&ギャラリー 空』らしい。
それにしても、カフェなのに3人も4人も使って呼び込みをやってるのって、どんなお店???

でも、『変な店では』という予想をあっさり裏切り、カフェ・空は素敵な店だった。
エントランス、素敵

中庭も素敵

隅に置かれているグランドピアノが目を引く、コンクリ打ちっぱなしのフロア。
大きいテーブルを中心に、いくつか小さなテーブルが並んでいる。
お店にはママさんっぽい人と30代くらいの女性店員がいて、お客は初老の紳士が2名。
何か、夏の催しものの打ち合わせでもやってるカンジだ。

季節のフルーツ入りロールケーキとアイスコーヒーを注文。
ロールケーキはお店手作りらしく、とても美味しい。
写真を撮っていると、「このあたりの写真を撮りに来たんですか?」と店員さんが話しかけてきた。
KOU:「いや、ネットで『名古屋 湖 のんびり』で検索したら、定光寺という地名が出てきて…」
それでフラっと来てみたところ、駅前に何も無くてここまで歩いてきたと伝えた。
店員さんによると、普段、中央線を使っている人でも、『定光寺』のあたりは突然秘境的な風景に
変わるという事もあって、たまにフラリと駅で降りる人がいるのだそうだ。
中にはヒールのままであの激坂を登って歩いてくる人もいるらしい。
KOU:「呼び込みに3人も4人も使ってるカフェなんて、初めて見たよ」
店員さん:「ウチは体育会系なのよ」そう言って笑う。
このお店は個展やコンサート(ライブ?)などで使われる事も多くて、
東京や神戸などからやってくる常連さんも多い店らしい。
ついこの前は、3人のデザイナーによるクルマのイラストの展覧会をやって、賑わったそうだ。
なかなかシャレてるし、やり手のようだ。
坂の途中にあったカフェといい、ここといい、この辺にはこういうシャレたカフェが多いのかと
訊いてみたら、そういうワケでもないらしい。
店員さん:「このあたりは国定公園なので、新しい建物は建てられないのよ。昔から住んでいる
古い人たちが、丁寧にお店をやっているって事かしらね」
なるほどね。まあ、駅前には大きなホテルの廃墟もあったけど。
話好きの店員さんのおかげで、楽しいひと時を過ごせた。
なかなかいいカフェじゃん。

さっきはくたびれていてパスしたが、坂を上りきったあたりに大きな池があった。
ネットで検索した時に出てきた『湖』とは、この池の事だろうか。
大きな公園もあるようで、のんびり過ごすにはよさそうな場所だ。

下り道は、上り道と川を挟んで対岸側の「東海自然遊歩道」を歩いてみた。
上りの時と50mも離れていないトコロを歩いているのに、
木漏れ日の下、川の近くを歩くだけでこんなに涼しいものかと驚く。

遊歩道を下ってきた出口に看板があったので振り返ってみると…
こんなやぶ蚊多そうなトコにわざわざ潜んでるっていうのか
痴漢で得られるモノって何かあるのかな。失うモノはたくさんありそうだけど!

橋のとこには呼び込みの女の子がまだいて、挨拶して駅に戻ってきた。
駅の下手前側の建物群にあるのは激シブの喫茶店だけ、その奥にあるホテルは廃墟。
橋を渡ったところにあるのは旅館。ホント、これしか無い駅前。
だけど、予想外に楽しい『旅』が出来た笑
千種から30分足らず、旅費は往復800円。また、遊びに来よう。
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