
河原坊キャンプ場は、登山口に面した駐車場のすぐそばにある。
駐車場には10台くらいのクルマが止まっているものの、森の中のキャンプ場にテントは見当たらない。
今流行りのオートキャンプ場ではないから、登山道が閉鎖されている今、ここに泊まる人はいないのかも、だ。

【中篇】
●キャンプサイトは森の中

駐車場からこんな道が延びていて・・・

こんな感じの森につながっている。
平らに整地されたと思われる場所が、自然そのままの雰囲気でまばらに散らばっている。
見た目ではとても分かりにくいが、おそらく10張分程度を想定したサイトなんじゃないか、と思う。
自然の倒木なども、普通に転がっている。
地面を見る限り、やっぱり、あまり使われていない感じだ。
今年は岩手県内でもクマの出没が非常に多いと言うから、余計、テントのキャンパーは少ないのかもだ。
木漏れ日が気持ちよく、水場から比較的近いこの平坦地にしよう
●新兵器・ジュラルミン製ペグ+snow peakのペグハンマー+滑り止め付き軍手

1回目の阿寺キャンプ、2回目の長島練習キャンプで『玩具か
!』と呆れる程にポキポキ折れた
『純正のゴミペグ』を廃棄して投入した新兵器、その威力を如何なく発揮!
●フカフカの地面にも援けられ、あっという間にテント完成

過去2回と比較して1/3以下の時間でテント完成♪
やっぱり、装備品によって快適さは全然違ってくるようだ。
まあ、このタイプのテントの設営に慣れてきたという事もあるだろう。
テントは一応2人用で、両側に割と広い前室がある(それぞれ折り畳んだ状態のBROMPTONが入る)。

時刻は午後4時過ぎ。
日差しはだいぶ西日がかってきた。
暗くなる前に、周囲の状況を少し確かめてみようか。
●水場はココ

屋根付きの水場がある。水は沢水。調理台もあるから、料理はここで作ろう。
また、万が一、雨が降る様な事があったらBROMPTONをスグ避難できるのもありがたい
テントについては、一度、耐水性を確かめてみるのもオツかも知れない。
●沢もある

早池峰山の山腹を源流とする稗貫川。花巻市を抜けて北上川に合流する主要な支流の一つだ。
河原坊登山口のすぐそばを流れていて、僕のキャンプサイトにはその川音が聞こえてくる。
懐かしいな~。
父親に連れられてこの岩を踏みしめて、早池峰に最後に上ったのは13歳か14歳頃だったかしら。
僕もそのくらいの子供がいて当たり前の歳なのに、
あの頃とあまり変わらん脳みそで、今日もこうやって遊びに来ているという^ ^;
●さて、ご飯を作ろう

料理に使うツールに変更は無い。
ガスタンクとアルコール燃料は飛行機では運べなかったので、紫波町のホームセンターで購入したもの。
これらを使って、チャッチャカとチキンカレーを作る。

夕暮れが近づく頃になると、駐車場のクルマがどんどん出ていく。
反対に、駐車場に入ってくるクルマも数台。どうも、キャンパーは僕以外にも3組くらいいるようだ。
『もしかして、賑やかな(=うるさい)キャンパーとかもいたりするのかしら
』
・・・そんな心配は無用で、中高年の夫婦が1組、あとはシニアのソロキャンパーが2組で、みな、実に静か。
そして、彼らは皆、駐車場に停めたクルマのすぐ横にテントを立てるという方式で野営するようで、
僕がテントを立てたキャンプ場の敷地に入ってくるつもりはないらしい。
どうも、ペグ不要のドーム型のテントをアスファルトの上に置いて、その中に潜り込むようだ。
まあ、こっちとしては近くにテント立てられるよりは気を遣わずに済み、
『自然の中に独りだけ感』も損なわない上、もしもクマさんに出会って最悪重傷を負う様な事があっても、
誰かしら病院に連れていってくれるだろうという安心感があるのは、正直、嬉しい。
(勿論、クマ対策の準備は十重二十重にしてきてはいる)
●クマ対策に気をとられて、肝心なものを忘れてきていた

ソロキャンパーのおじさん:「お、兄さん、本格的だね
」
何が本格的なのかよく判らないが、そう言ってもらえるのに悪い気はしない。
しかし、僕は肝心なモノを忘れてきてしまっていた。
ソロキャンパーのおじさん:「何?ライスを忘れてきてしまった?ギャハハ、それは傑作
」
『それなら、俺のを分けてやるよ!』みたいな流れを期待したのだが、おじさんにその気はないらしい。
まあ、炭水化物抜きダイエットと思えばいいか

スーパードライを飲みながら、ツマミがわりに、カレーとチキン・エリンギのソテーを美味しく頂く。
グビグビ♪
●20時を回ると、だいぶ、暗くなってきた

水場の屋根の下にいても味気ないので、テントの方に行き、撮影を試みる。
キャンドルランタンだけだと、さすがに写真は難しい
森の中は『真の闇』に近い状態なので、さすがに光量が足りない。
肉眼でも、周囲のものがあまり見えないくらい。
こういうシチュエーション、『超自然的な何か』が苦手な人は耐えられなかったりするんだろうか。
オカルト的なモノに一切関心が無い僕は、そういう点では得をしているかも知れない。
怖いのは危険人物、有害生物、荒天等だが、環境を見る限り、今夜注意が必要なのはおそらくクマだけだ。
●地面に枯れ枝を突き刺し、電池式ランタンをかけてみる

地面が柔らかくて、枯れ枝をズブッと深くまで突き刺す事が出来た。とてもいい土の様に感じる。
キャンプ雑誌のワンカットの様になって、いい感じ
各々キャンプ道具積んだミニベロ持った何人かで輪行して、こんなキャンプをするのも楽しいかも、と思った。
●虫は、あまり気にならない

名古屋にいる時、キャンプの話をすると、『虫』の話が必ず出てきた。
特に蚊やアブの吸血昆虫のわずらわしさによって、キャンプにネガティブな人が多いイメージ。
考えてみれば、僕は今まで蚊やアブに悩まされる様な場所でキャンプってした事無かったなあ、と気付く。
河原坊キャンプ場もそうだけど、蚊もアブもいないんだよな。多分、高地で寒いからだろう。
きっと、中部地方に戻ってキャンプをするとなると、虫対策がとても重要になるんだろう。
このキャンプ地では、羽虫やら蛾の類やらは飛んでは来るけれど、特に害はなく、
放置しておけばいい程度の数でしかない。
●ウインナーとハイボールを頂く(*v.v)。。

ウィンナーは、香草練りこんだ美味しいヤツをチョイス。
クーラーケースの中に入れておいたロックアイスの溶け残りをマグカップに入れて、ハイボール注いで、
シュワシュワのヤツをグビグビ
♪
「ぷしゅー」
●乾きモノも頂く

ノリの天ぷらなんてメニューもね、特殊な環境下で頂くと、なんかものすごく美味しく感じちゃうという
♪
ポリポリ♪
グビグビ♪

BROMPTONは本当に不思議な自転車だなあ、と思う。
旅のみならず、こういった冒険へのモチベーションを生み出す原動力にもなってくれる。
vitesseにTravoyつけてキャンプしに行く気にはならないけれど、BROMPTONならやってもいいかな、と思う。
Travoyにキャンプ道具と一緒に詰め込んで、ラクに移動できるから、そう思うんだろうか。
とにかく、色々な要素が絶妙なバランスで調和しているのがBROMPTON、と、僕は思う(*v.v)。。
●空が曇ってきたので、仮眠をする事に。。。

今宵はペルセウス流星群の極大日と聞いた。
流星群・・・は無理にしても、満天の星空を背景にBROMPTONの写真を撮りたい、と思っていた。
何時間かで雲が晴れる事を祈りつつ、とりあえず3時間ほど休憩する事に。
zzz...
●そして、満天の星空が広がった

BROMPTONを写しつつ、星空も写す、というのはなかなか困難な作業。
光源が何も無いとBROMPTONは全く写らないが、だからと言って車体にライトの光を当てると星が写らない。
とりあえず、少し離れた場所に置いたオイルライターでBROMPTONを照らし、
60秒の最大露光で撮影すると、こんな感じ。(無修正)
この写真は、再生する機種によって星が見えたり見えなかったりするレベルのモノだと思う。
(僕の場合、ノートPC「vaio」では星々がキレイに見えるが、スマホ「XPERIA Z5」では殆ど星は見えない)

次は、もっと明るい星々がたくさん入る様に引いた場所から撮影。
無修正でも、星の明かりは十分写っているものだったが、
どんなデバイスで見ても星が確実に見えるよう、画像加工ソフトでちょっとだけ写真を明るくしてある。
写真下の草やBROMPTONが赤っぽいのは、オイルライターの炎でライティングしたからだ。
●自分も入ってみる

PCで見て頂くと私が映り込んでいるのが判ると思う。スマホでは見えないかも知れない。
カメラが露光している60秒間、じっと動かずに空を眺め続けていた。
疲れるが、仕方ない
この写真はレフ板替わりの折りたたみ式ナイフに、LEDライトの光を反射させて、
BROMPTONをライティングして撮っている。
レフ板が小さすぎる為、僕の身長を全くカバーできていない失敗写真。
●何枚も撮影しているうちに、偶然に・・・

流星が写り込んだ
!
撮影中に何回も星は流れていたものの、僕のやり方で流れ星を撮影できるなんて全く思っていなかった。
※ただし、人工衛星の可能性もある
この写真も、画像加工ソフトでほんの少しだけ明るくしている。
星空の写真も大体撮りつくしたので、テントに戻って、今度こそ寝る事にしよう・・・zzz
●ほとんど眠れなかった

そうだ、僕は外では殆ど眠れない男・・・
ちょっと眠っては起き・・・を繰り返し、朝を迎えていた。
疲れは取れてないけど、気持ちいい朝だ
●気温約10度。あたたかい朝食を食べたい・・・

サンドイッチを作るつもりでポテトサラダとコンビーフを買ってきていたのだが、肝心のパンを忘れてきている。
まあ、ポテトサラダを主食と思って食べればいいや。
コンソメスープには先日のあまりのエリンギを投入して、2人前分頂いてカラダホカホカ
・・・と、背後から『トスン、トスン・・・』という様な、聞き覚えのあるリズミカルな音。
わかる、わかるよ、見なくても。
これは、君の歩行音だよね~

ウサギさん見っけ
ヤマネさんにも出会いたかったな~笑

豊かな森の情景にとっぷり浸かって、かなり満足。
こんなイベントなら、ポタ倶楽部または新たに有志を募って出かけてみても面白いかも、と思った。
自分のミニベロ連れて、こんなアクティビティやってみたい人、きっと、いる事だろうし
(つづく)
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