●雨が強くなってきた
探検隊は2人ともクルマに傘を置いてきていたので、逃げ込む様に岩屋に立ち入る。
KOU:「おおっ
」
Y:「広い~
」
予想以上に広々とした岩屋は、いくつかのスポットライトで照らされていて、なかなか雰囲気がある。

その中には朔像と思しきお坊さんがいた。
正面の像は親鸞上人のようだ。

『ハニベ岩窟院』の初代住職はもともと彫刻家だった方だというから、その作品かも知れない。
岩屋には他にも道元さん、蓮如さんなど、日本史の授業の中でお名前を聞いたお坊さんたちが鎮座する。
その隣に・・・
●願皿

これ、どっかでやった事あるぞ
願をかけたお皿をハコに向けて投げて、それが入ると願いが叶うってヤツだね。
ちょっとやってみよう。
●Y:「あら、随分たくさんの人がやってるのね
」

あるいはゴミを溜めているという事もあるのかも。
・・・さて、どんな願い事を書こう?
『みんなの健康を』とか『みんなの幸せ』を勝手に願って勝手に外してしまうと申し訳ないから、
超個人的な願いをかけて投げた方がいいだろうという事になった。

Yが投げた皿は1枚目がハコに弾き返され、
今飛んでる2枚目は、この直後に天井の岩に当たって粉々に砕け、ハコ周辺に降り注ぐことになる。
『夢、やぶれるか・・・・・・
』
なお、僕の1枚目の皿「仕事がうまくいきますように」、2枚目「年末ジャンボ1等が当たりますように」も
ともにハコのかなり手前に墜落して砕け散った。
なかなかうまくいかないね
●外の雨は少し小降りになっていた

ふと、岩窟の前にいる。小さな不思議な像に気づく。この像も、何の説明書きも無いが・・・
Y:「妙に気になる像。でも、なんでかしら?ドラクエの『魔法使い』みたいだから?」
KOU:「あるいは、歳をとったスナフキン・・・」
・・・この後、まるで僕等を見張っているかようにところどころに出現するこの像の恐るべき正体を、
僕等は探検の最後で思い知る事となる・・・・・・
●『岩窟』はもう一つ、『資料館』を通り過ぎた先にあるらしい

Y:「あっ、KOUさんはコレ、拝んでおいたほうがいいと思う
!」
うーむ、確かに僕もそう思う

仏さまの上にコインを置いて、頭よくなれよくなれと念じつつ、資料館の壁に目を走らせる・・・
●けっこうすごい彫刻がある

岩窟院初代の作品だろうか。ヒンズー教の神様かな?
なかなかカッコいい。
ただ、他、やたら大きな義経像(勧進帳バージョン)が安置されていたりと、
カテゴリや作風には統一性が無いように思える。
この資料館を抜けると・・・
●Y:「あっ、洞窟の入り口
!」

おお
!こっちの洞窟は深そうだぞ。
阿吽の形相の仁王像の間を通って洞窟に入っていくと・・・
●KOU・Y 「おお~
!」

これは、かなり本格的な地下世界だぞ
!
考古学者に扮したハリソンフォードが出てきそうだ。
●入口のすぐ近くに『夢牛』

Y:「なになに、『牛を作らせれば右に出る者はいない・・・』ぷっ
」
『願い事をして、この牛の上にコインを投げ載せる事が出来れば夢がかなう』というのは、
さっきの『投げ皿』と比べるとかなりカンタンな様に思える。
試しにコインを投げてみたら一発で頭の上に乗ったが・・・願い事をする前に投げてしまった。
ちゃんと願い事をしてから投げると・・・今度は失敗。これでは、いつまで経っても願いは叶わんね

●おや、これは・・・?

KOU:「お休み処・・・?」
岩窟の中にあるというのか?

へ~、子供の頃に夢想した『ひみつの隠れ家』そのものじゃないか
この岩窟の工事スタッフも似た様な事を感じたろうな。
・・・僕等はまだ特段疲れていないので、休む必要もなく、先に進む。
●岩窟の中には様々な『像』がある

展示されている作品の価値については・・・価値があるものなのかそうでもないのかよく判らないが、
とにかく、『探検している感いっぱいのこの雰囲気』が楽しい。

これも初代の手による彫像らしい。インドの修行僧を彫ったものだそうだ。
『昔、即身仏になった人も、地底の閉鎖空間に入ったんだっけ・・・』
そんな事を考えながら像を見ていると、奥の方からYの「あっ
」という声が聞こえてきた。
なんだなんだ・・・?
●・・・なにやってんだ
?

なんか、挙手した像の前で固まってるぞ。
●あっ
!

・・・・・・って、これは何?
Y:「お釈迦さまが誕生した直後の姿だとか・・・そういえば、ハスの上にも立っているなあ、と」

Y:「お釈迦さまはお母さんの脇の下から埋まれたのです・・・あ、この像がそうね」
そういえば、そんな話を聞いた事があったような・・・

Y:「このスペースはお釈迦さまに関するコーナーかしら・・・」
不思議な雰囲気を感じるスペースである。
洞窟のような非日常的な空間に神仏の像があると、なるほど、こういう雰囲気になるのかも知れない。

地下空間はかなり広く、『不思議に快適な』空間の様に感じる。
静寂もわりと心地よい感じ。
さらに進むと・・・
●阿修羅像が見えてきた

最初は『子供だまし』の岩屋かと思っていたが、まだまだ先がある様に感じる。
Y:「スゴイ。まだまだ続いているみたい。楽しい
!」
KOU:「これは・・・前に行った風天洞(フウテンドウ)より深いかも知れないね
」
風天洞は自然洞窟だった。
一方、この岩窟の壁面を改めてじっくり見てみると、ノミで削られた様な痕跡がそこかしこにある。
もしかすると、この洞窟は中世~近世の石切り場跡かも知れない。
●何故か「まねきねこ」も祀られている

寺前にあった土産物屋にたくさんあったヤツと同じかな?
『拝んでおけば、なにか福を招いてくれるかも知れない・・・(-人-)』そう思って願い事をしていると、
Yがまた背後で「あっ
!」と声をあげた。
『また、ヘンテコな像でも見かけたのであろう・・・』
そう思いながらゆっくりと振り返ってみると・・・
●ああっ
!

地獄!
僕等は知らず知らずのうちに、近づいてはならぬ岩窟の深淵に接近してしまっていたようだ

次回、ハニベ岩窟院探検の章 最終回『地獄』篇!
愚かな探訪者に『究極の地獄』がついに牙を剥く!
(つづく)
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